なぁ、セリ……。セリはどう思う? セリだったらこんなときどうしてほしい?
 俺はさ、やっぱりよくわからないんだよね……。
 してあげたいことはたくさんある。でも、それで本当に自分の気が晴れるのか、救われるのかわからなくなってきた。
 それに、俺がしたいことはたくさんあるけれど、それをされる側はどう思うんだろう。
 女、女の子、妹――全部同じ性別なのに扱い方が全然違う気がする。
 俺にとっては全部同じだったんだけどな。
 リィを見てると、全部違うものに思えてくる。リィの前では偉そうにわかったようなことを話していたけど、俺が思ってるよりももっと深く悩んでいる気がした。
 悩むっていうよりは戸惑い、かなぁ……。
 赤面してたけど、なんていうか好き好きオーラーが全然感じられないんだよなぁ……。
 俺の気のせいかな?
 ――ガチャ。
 秋斗さんが出てくると、手にボストンバッグを持っていた。
「なんですか、その荷物」
「しばらく泊めろよ」
「はっ!?」
「とりあえず、ショップ閉まる前に携帯買いに行くから」
 と、前を歩き始める。
 ボストンバッグのほかにはスーツ二着。まじでうちに泊まる気っ!?
 ちょっと、蔵元さん助けてっ!