光のもとでⅠ

 いつもなら同じ顔をした姉さんが目の前にいるのが嫌なだけだけど、今日はなんていうか――。
 自分と同じ顔が目の前にあると、どうしても唇に目がいってしまうから厄介。
 俺、本当に意識しすぎ……。
 わかってはいるけれど、ここまでくるとどうやって意識を逸らしたらいいのかがわからない。
 参考書に連ねられる方程式を解くよりも難しいと思う。
「いただきます」と口にした次の瞬間、クラッカー音に驚いた。
 俺の頭にはピロピロと色とりどりの紙テープが降ってくる。
 文字どおりクラッカーの音だったわけだけど――。