――抱きしめたい、キスをしたい……。
頭の中がそれだけで埋めつくされそうで、強制的に思考を遮断する。
「あと少しでマンションだから、もう少し頑張れ」
手を引くと、翠は静かに従った。
マンションを目前に、肩越しに坂道を振り返る。と、そこには今翠と歩いてきた道があった。
俺はどこまで歩いてこれた?
前方に視線を戻し、残りの坂道を見て思う。
これから上る坂道――。
俺はこの手をつないだままどこまで歩いていけるだろう。
道は途絶えることなく続いているのだろうか。
いや――道がなければ作るまで……。
やっと掴むことができたこの手を俺は絶対に放したりしない。
頭の中がそれだけで埋めつくされそうで、強制的に思考を遮断する。
「あと少しでマンションだから、もう少し頑張れ」
手を引くと、翠は静かに従った。
マンションを目前に、肩越しに坂道を振り返る。と、そこには今翠と歩いてきた道があった。
俺はどこまで歩いてこれた?
前方に視線を戻し、残りの坂道を見て思う。
これから上る坂道――。
俺はこの手をつないだままどこまで歩いていけるだろう。
道は途絶えることなく続いているのだろうか。
いや――道がなければ作るまで……。
やっと掴むことができたこの手を俺は絶対に放したりしない。


