翠は赤い目からポロリ、と涙を零す。
「なんで泣くんだよ……」
「だって……だって、わからないんだもの」
そう言ってまたひとつ、ポロリと涙が零れた。
わからないって言いながら、それでもそのわからないことと向き合う姿勢。
俺は翠のそういうところが好きだ。
人の気持ちを汲もうと努力して、それでも自分にできないと思えばそれを伝えようとする姿勢。その様が真っ直ぐで――真っ直ぐすぎて憧れる。
人と向き合うということをしない俺が憧れる。
最初から完全否定するのではなく、なんとか受け入れようと努力をする。そのうえで悩んだり泣いたり、自分に正直であり人には真摯な態度をとる。
こういうことを誠実というのかもしれない。でも、どこか"純粋"という言葉のほうがしっくりくるのはなぜだろう……。
そのままの翠でいいと思うし変わる必要はないと思う。そういうの、どう伝えたらわかってもらえるのか、今の俺にはわからない――。
「なんで泣くんだよ……」
「だって……だって、わからないんだもの」
そう言ってまたひとつ、ポロリと涙が零れた。
わからないって言いながら、それでもそのわからないことと向き合う姿勢。
俺は翠のそういうところが好きだ。
人の気持ちを汲もうと努力して、それでも自分にできないと思えばそれを伝えようとする姿勢。その様が真っ直ぐで――真っ直ぐすぎて憧れる。
人と向き合うということをしない俺が憧れる。
最初から完全否定するのではなく、なんとか受け入れようと努力をする。そのうえで悩んだり泣いたり、自分に正直であり人には真摯な態度をとる。
こういうことを誠実というのかもしれない。でも、どこか"純粋"という言葉のほうがしっくりくるのはなぜだろう……。
そのままの翠でいいと思うし変わる必要はないと思う。そういうの、どう伝えたらわかってもらえるのか、今の俺にはわからない――。