このままずっと持っていたい気持ちを抑え、携帯を差し出した。
翠はびっくりした顔をして動く気配がない。
仕方ないから翠が手に持っていた俺の携帯を取り上げ、その手に翠の携帯を握らせた。
翠は「ありがとう」と唇を動かす。
俺も声を発することなく、「どういたしまして」と答えた。
歌を歌っていたのは海斗と立花だった。
ふたりで仲良くデュエットね……。
なんとなしに思いつく。
「好きだとわかった途端に失恋」――これは海斗が相手なら当てはまる。
そう思ったとき、翠が急に立ち上がった。
翠はびっくりした顔をして動く気配がない。
仕方ないから翠が手に持っていた俺の携帯を取り上げ、その手に翠の携帯を握らせた。
翠は「ありがとう」と唇を動かす。
俺も声を発することなく、「どういたしまして」と答えた。
歌を歌っていたのは海斗と立花だった。
ふたりで仲良くデュエットね……。
なんとなしに思いつく。
「好きだとわかった途端に失恋」――これは海斗が相手なら当てはまる。
そう思ったとき、翠が急に立ち上がった。


