すると、書架の奥から出てきた嵐に声をかけられた。
「司、秋斗先生が戸締りよろしくって」
「わかった」
「……着替えないの?」
「汗が引いてから着替える」
「あまり長いこと汗かいた洋服のままいると風邪ひくよ?」
「……身体が冷える前には着替える」
 そんなやり取りを終える頃にはほかの女子も着替え終わり、男子も着替え終わっていた。
 俺はこんなにも疲弊しているというのに、周りの連中はさっきの「鬼ごっこ」はすでに過去でしかない。