「翠の位置は一、二年棟裏の中間あたり、ハナミズキの木を囲うさつきの垣根の中にいる。マントをかけてきたから衣装は目印にならない」
『OK。嵐子ちゃんが迎えにいく準備に入った。その他プランニングは?』
「これだけの人数に追われていたら翠が地上から図書棟にたどり着くのは無理。地下道を使うからひとまず保健室へ行くように伝えてくれ。保健室には姉さんがいる。地下道に関しては秋兄に指示を仰いで」
『了解』
 通信を切ると、海斗から個別通信が入った。
「何」
『司、うちのクラスのこと忘れてない?』
 クラス……?