光のもとでⅠ

 本当にこいつは――。
 翠、今俺の腕の中にいるって理解しているか?
 悪いけど、どうにでもできそうな状況でそんな顔をされたら俺の理性だって限度を超える。
「文句は受け付けないから」
「え……?」
 翠の唇は少し開いたまま。
 俺は翠の頬に手を添え、血色の悪い唇に自分のそれを重ねた。
 一瞬の出来事。
 目を開けたままキスをした。
 翠の目は今も見開かれたまま。