光のもとでⅠ

 そこら辺がほかの学校とは少し異なるのかもしれない。
 何分、うちの生徒は「我」が強く、誰もがスタンドプレーを得意とする。
 だからこそ、チームプレーの重要性を学ぶべく、一学期ごとに球技大会が行われている。
 球技大会に個人種目がないのはそういう理由から。
 そんな特色があるからこそ、どの部活も団体競技よりも個人競技のほうが成績がいい。
 それは俺も然り。
 翠のこの真っ直ぐさはスタンドプレーに通じるものがあるのかもしれない。
「……カサっ」
 胸におさまっていた翠が急にシャツを掴んだ。