問題は多々あるものの、呼び出していた一部の女子とも和解し打ち解けているという話なら青木から聞いている。
「へ~……。なんつーか、あの藤宮に平気で物申す人間は今までいなかったよな?」
 本当に――そんな人間は翠が初めてだったんだ。
「最初は単にかわいいだけかと思ってたんだけど、ちょっと不思議な子だよね」
「藤宮くんのあんな顔めったに拝めないよ~。誰か写真撮るの成功してる人いないかな?」
 紅葉祭が終わったら肖像権についてくどいくらい記したプリントを配布しようか……。
 俺は真面目にそんなことを考えていた。