「ツカサは保険屋さん。いつも自分にも人にも厳しくて……。根本はすごく優しいのに、気づくまでにちょっと時間がかかる。わかりづらい優しさだけど、それに気づけたときはすごく嬉しいと思う」
 言った直後に添えられた笑みをきれいだと思った。
 目が潤んでいるからそう感じたのか、後夜祭というイベントや炎の演出効果かなのかは不明。
 ただ、目を奪われるほどにきれいに見えた。
「笑顔の使い方は間違えていると思うけど、とても頼りになる人、かな」
「……そう」
「頼りになる人」の先を望むようになったのはいつからだろう……。
 そう遠くない過去だと思う。