光のもとでⅠ

「ツカサの意地悪っっっ」
「俺を避ける翠が悪い」
 俺は反射的に答えていた。
 こんな応酬が日常的になりつつあり、そんな会話にほっとする自分に嫌気がさす。
 このままじゃいつまでたっても「このまま」なのに――。
 すっかり人がいなくなった校舎は閑散としていて寒さが助長された気がする。
 もとより、最初からテラスという屋外にいるわけだから、これ以上寒くなりようがないわけだけど……。
 何よりも翠を立たせておくくらいなら歩かせたほうがいい。
 そうしないと血圧が徐々に下がり始める。