「そういうのだけはやめてほしいって言ったはずだけど」
「ち、違うのっ」
「何がどう違うのか教えてくれないか?」
 俺が一歩近づけば翠も一歩下がる。
 どこまでいっても平行線。
「翠……俺は昨日のほかに何をした?」
 訊かないことには始まらない。
 教えてくれなければわからない。
 俺はきっと、これから何度でもこんなふうに翠と向き合っていくことになる――。