時刻は二時半を回っていた。
 姉さんからの連絡はまだない。
 翠はまだ起きないのだろうか……。
 携帯を見れば先ほどよりは少しだけ脈拍が増え、逆に血圧は少し下がったようだ。
 それらが教えることは体位を変えたということ。
 ……起きたのか?
 俺は携帯を気にしつつ、リトルバンクと収支報告の照らし合わせ作業を進めていた。
 すると、インカムに個別通信が入った。
『秋斗と司、聞こえてる?』
『聞こえてる』
「こっちも平気」