光のもとでⅠ

 生徒総会のときのなんてことのない会話……。
 もしかしたらそれ以外にも何か思い出しているのかもしれない。
「こればかりはなんとも言えない。可能性を数字に換算できない域の問題。このまま少しずつ思い出していくのかもしれないし、ある日突然すべてを思い出すのかもしれない。もしくは、部分的に思い出すだけですべては思い出せないかもしれない。ケースバイケースだよ」
「そう……」
「怖いのか?」
 怖い? 何が……?
 俺が何を怖がる必要がある?
 けど――。
「……怖いものなんて何もない。俺が恐れなくちゃいけない要素なんて何ひとつない」
 そのはずなんだ。
 なのに、何かを恐れているのは確かで――。