でも、最後の一言が翠らしくない気がした。
声の硬さが増したのも気になったけど、それらを尋ねる気力も何を考える力も残ってはいなかった。
マンションへ帰るといつものようにコンシェルジュに出迎えられ、兄さんがカフェラウンジで待っていることを伝えられる。
兄さんの座るテーブルまで行くと笑顔で迎えられた。
「おかえり」
「疲れてるから急ぎじゃないなら明日以降にしてほしいんだけど」
「別に用ってわけじゃないけど、姉さんが急用で出かけたんだ。で、おまえの夕飯、なんでもいいから食べさせろって仰せつかった」
声の硬さが増したのも気になったけど、それらを尋ねる気力も何を考える力も残ってはいなかった。
マンションへ帰るといつものようにコンシェルジュに出迎えられ、兄さんがカフェラウンジで待っていることを伝えられる。
兄さんの座るテーブルまで行くと笑顔で迎えられた。
「おかえり」
「疲れてるから急ぎじゃないなら明日以降にしてほしいんだけど」
「別に用ってわけじゃないけど、姉さんが急用で出かけたんだ。で、おまえの夕飯、なんでもいいから食べさせろって仰せつかった」


