光のもとでⅠ

「俺の携帯なら持って帰ってもらってかまわない。もし、翠がかまうっていうならあとで家に届ける」
 そういえば、今日は家族水入らずで鍋だって言ってたか?
「……ただ、今夜は鍋で家族水入らずらしいから、玄関のドアにでもぶら下げておこうか? 俺のはコンシェルジュにでも預けてくれればいい」
『いい……。ツカサが困らないのなら、このままで……』
「問題ない。因みに、別に俺にかけるのに唯さんの携帯使う必要ないから。むしろ、そっちのほうが紛らわしくて迷惑」
『わかった』
「じゃ、切るから」
 俺は半一方的に通話を切った。