光のもとでⅠ

 右にはひっきりになしに車のライトが続き、左には住宅街の光が広がる。
「零……」
「ん?」
「もっと早くに翠葉を藤宮に入れれば良かったのかしら……」
 つないだ手に力がこめられる。
「……いや。今年だったから良かったんじゃないかな」
「どうして……? もし……もし、幼稚部や初等部からここに通っていたら――」
「碧……『もし』で過去には戻れないし、『もし』が導き出す未来は確実じゃないだろ?」
「…………」
 碧の要らん力が抜けるように、つないだ手を遠心力に任せて前後にブンブンと振る。