光のもとでⅠ

 理由がわかったからじゃない。
 ただ、「不必要なもの」ではない気がしたから。
 今、ステージに立っている翠葉は具合が悪くて泣いているわけじゃない。
 痛みが出たなら身体を押さえるなり前屈みになるだろう。
 血圧に異常が出たのなら、泣く間もなく気を失う。
 今の翠葉から感じるのは「悲しい」という感情のように思えるけど、「悲しい」という感情を知ることは決して悪いことではない。
 その感情をどう変換していけるかが大切。
 翠葉、がんばれ――。