床のベージュはそのままに、勉強机を合わせて作られたテーブルにはこげ茶のテーブルクロスがかけられている。
 四人掛けのテーブルには白いテーブルランナーが敷かれており、ふたり席のテーブルには白い糸で編まれた丸いレース編みが敷かれている。
 その上には切子ガラスの一輪挿しが置かれ、小ぶりな真紅のスプレーバラが飾られていた。
 翠葉は慣れない給仕に苦労しているみたいだったが、それでも時折見せる笑顔は家で見るものは違って見える。
 向かいに座る碧も、そんな翠葉を始終目で追っていた。