高校門で冊子をもらうとき、ライブステージで子どもが歌を歌う保護者には、優先的に桜林館の席が取れるように手配されていた。
 そんな部分に藤宮の特色を感じつつ、碧とふたり手をつないで懐かしの桜並木を歩いた。

 翠葉のクラスは教室をカフェに見立てたものだったが、そこかしこに高校生らしい趣向が凝らしてあった。
 壁はすべてアイボリーの布で覆われ、それらは布をたるませきれいなドレープを作りだしていた。
 床にはライトが置いてあり、下から光をあてることで陰影を作り、よりドレープを印象的に見せる演出が施されている。