高校門入り口に設置された数々の関所を通りセキュリティをパスすると、碧が「翠葉も警護の話を聞いたかしらね」と小さく口にした。
「そうだなぁ……。朝一でごたつく予定だって静が言ってたから、もう聞いたかもな」
「あの子は何を感じ、どんな答えを出すのかしらね……」
「……きっと、俺や碧と変わらんだろ」
「だと嬉しいわ。『藤宮』なんて付属品関係なく、ひとりの人として彼らを見てほしい」
「そうだな……」
 これはやっぱり俺たちの「希望」であったり「願望」なんだろうな――。