翠葉の部屋を出てリビングへ戻ると、父さんが携帯を切ったところだった。
「ふっふっふ……」
 不気味に笑う父さんを真面目に心配する。
「何、どうしたの?」
 母さんが尋ねると、
「持つべきものは気の利く優秀な部下っ!」
 父さんは母さんに抱きついた。
「周防ちゃんがさ、明日こっちである会議に出てきたらどうですか、って連絡くれた」
「でも、予定にはないんでしょう?」
「そう、予定に入らないようなどうでもいい会議っていうか、俺が出席する必要性が高くない会議」