「あんちゃん、じっくり話を聞くことも大切だけど、もっと大切なのはペース配分」
 ビシリ、と人差し指を向けられた。
「リィの体力と睡眠時間考えないと」
 言われて時計を見れば、すでに十時を回っていた。
「ペース配分って苦手なんだよな……」
 思わず本音が漏れる。
「俺は秋斗さんと蔵元さんに伊達に鍛えられてないからね? あのふたりと一緒に仕事してるとそこだけは確実に鍛えられる」
 そう言った唯がなんだかとても頼もしく見えた。