「で、碧さんから見てどうよ……。この筋金入りのシスコンあんちゃんに彼女ができたって事実」
 母さんが面食らったのは一瞬のこと。
「そうね……」
 まじまじと俺を見ながら、
「まぁ、なんていうか……蒼樹の翠葉卒業は無理だと思っていたからちょっと安心したわ」
 母さん、そういうこと真顔で言わないでくれませんかね……。
「俺、今日初めてその彼女さんを見たわけですが、すんごい清楚なお嬢さんでしたよ?」
「知ってる知ってる! 桃華ちゃん、あと数年もしたらもっときれいになるわよ?」
「あんちゃんも隅に置けないよねぇ~……妹のクラスメイトに手ぇ出すなんてさ」
「唯……その言い方だけはやめてくれ」
 確かにそのとおりなんだけど、何か何か何か――。