光のもとでⅠ

 話す内容を頭でまとめる時間が少し必要だった。
 母さんはその間何も言わずに待っていてくれる。
「藤宮に通い始めて翠葉の世界は広がったと思う。学校に通いたいからこそ入院中もがんばったんだと思う。……でも、具合が悪くなると翠葉の世界はやっぱり『家』って場所だけになると思うんだ。その枠の中にいる俺たち家族を傷つけたくないと思えば――翠葉にとって周りに人がいることがどれほど負担になるのか、って考えずにはいられなかった。……ストレスからくる不整脈が怖かったんだ。また、命に関わるような状況になることがたまらなく怖かった。だから、現場に戻ってほしいって言った」
 ただ翠葉のことだけを考えて言ったわけじゃない。
 自分が怖かったから……。