俺はひとりそんなことを考え、あとの三人は無言だったところに相馬先生が出てきた。
「鍼打っといたから、あとは遅くならないうちに適当に帰れや」
 あんちゃんに声をかけ、長い腕をジャケットにガスッ、と通して図書室を出ていった。
「俺さ、今日初めてまともな格好をした相馬先生を見たんだけど、あれって間違いなくイケメンさんの部類だよね?」
 ポロリと零した俺の言葉は誰も拾ってくれなかった。