「秋斗さん、かわいい子に頼まれて願掛け対象になってたんですって?」
 これはあんちゃんも知らない情報だろうから、ちょっとした情報提供にもなるかと思った。
「さっき、こっちに戻ってくるときに女の子が駆けてきて、そんな説明をリィにしてました。びっくりですよ。時間的に会える余裕はないだろうとは思ってましたけど、電話もメールもしてなかったなんて」
「……どっちにしろ、電話で話す時間も取れなかっただろ」
「そうですね。家に帰って来たらまずは寝て、お風呂に入ったら夕飯食べて作業して……。そのあとには予習復習。気づけばあっという間に日付が変わる時間帯。ここのところはずっとそんな毎日だったから、電話なんてする時間はリィにはなかったでしょうけど……」