光のもとでⅠ

 リィの心拍は司っちが歌い始めるたびに駆け足を始める。
 それ以外のときでもなんだか不可解な動きを見せてはいたけど……。
 この場の誰もがリィの心拍の異常には気づいていたと思う。
 けど、誰ひとりとして口にはしなかった。
 危険性のある不整脈じゃない限りは口出し無用。
 バイタルチェックの存在理由を間違えちゃいけない。
 そこら辺をみんなわきまえているんだ。
「うっし! ライブ終わったからリィ迎えに行ってくるー! あんちゃんも行くっ?」
「いや、唯は大丈夫でもさすがに俺が行くと浮く」
 苦笑で断られたけど、本当はすぐにでも迎えに行きたかったんじゃないかな。