光のもとでⅠ

「佐野くん、朝陽先輩がね――」
 佐野くんの方を振り向いた彼女は、
「あ、れ? 佐野くん?」
 辺りをきょろきょろと見回す。
 俺には見えてたよ。
 ちゃーんと、視界の端で彼が真下にフレームアウトするのをね。
 佐野くん、つまり、君も俺と同じ心境と思ってもいいかな?
 翠葉ちゃんは足元のクラスメイトに気づくと懸命に声をかける。
「えっ、佐野くん、具合悪いっ? 大丈夫っ!?」
 いや……それ、すごい見当違いだから、と思いつつ、自分もその場にしゃがみこんだ。