翠は歯の根も合わないほどに震えていた。
 何があったっ!?
「御園生さん。これはさ、俺が約束を反故にしたことにはならないと思うんだけど」
 風間の言葉に、翠は震える身体を押さえつつなんとか首を縦に振った。
 約束って、何……。
 見えない話に余計苛立ちが増す。
「藤宮、この震えてるのどうにかできないの? 見てらんないんだけど。……それとも、俺がここにいるからダメなの?」
 そもそも、みんな俺をなんだと思ってる?
 俺は魔法使いでも翠の子守役でもなんでもない。