……いい加減にしろ。
「そこまであからさまな態度取られるとむかつくんだけど……」
 たぶん、翠はこっちを見ずに答えるのだろう。
 さて、なんて答える?
「ごめん、なんのことかわからない」
「……ずいぶんと性格悪くないか?」
「うん。もともといいほうじゃないの」
 本当になんなんだよっっっ。
 問い詰めようとしたとき、曲が始まり意識を殺がれた。
 モニターに映し出された映像に自分が映っている。
 見事に赤く染まった夕焼けと俺と翠――。