光のもとでⅠ

 プロにはプロの切り抜け方があるだろう。
 それをフォローすべく、生徒レベルなりに体制を整える。
 今、俺たちにできることはそれだけ――。

 演奏部隊の選出は佐野姉妹によるものだった。
 最初こそ何人かの手が上がったものの、「自信のない人は手を下ろして」の言葉に二本の腕しか残らなかった。
「君たち楽器は?」
 ふたりはベースとギターと答える。
「んじゃ、決定。基本はモニターの音を基軸にした演奏になる。ぶっつけ本番で合わせも何もできないから、リズムが複雑なところは縦のラインをしっかり意識して」
「あの、ドラムとキーボードは?」