光のもとでⅠ

「絶対に引かない」と、翠の目が言っていた。
 何がどうして会長がステージに必要なのかなんて俺には理解しようがない。
 気まずいことになっているふたりをわざわざステージで会わせてどうしたいんだか……。
 が、漣にはわかったようだ。
「わーった。そういうことなら俺が責任もって会長を上に届ける。だから、御園生さんはここにいて」
 漣は会長と会場へ続く階段を駆け上がった。
 取り残された翠はその場にしゃがみこむ。
 ――「何も、できない」
 翠の唇はそう言葉を紡いだ。
 歩み寄ろうとした瞬間、佐野姉妹に先を越される。