自分がついていたいのは山々だが、このまま側にいたところでどんな言葉が自分から発せられるのかわかったものじゃない。
 今は実行委員に任せるとしよう……。

「ずいぶんとイラついてらっしゃるようで?」
 朝陽に声をかけられ、さらに陰鬱とする。
 気分的には今すぐ失せろ、といったところだが、その手に持っている書類を見ればそうも言えない。
「悪いね、ダブルチェックが必要な書類だからよろしく」
 そう言って、俺に紙の束を渡した。
「茜先輩のあの歌。何度聴いてもいいよね」
 俺は朝陽とは少し違う感想を持っていた。