光のもとでⅠ

 翠の歌う「小さな星」。
 この歌はちょっとした毒だ。
 これだってしょせんは人が作った歌で、翠には縁遠い恋愛の歌詞。
 翠の想いが重なる部分など微塵もないだろう。
 そうとわかっていても、こんなふうに想われたいと思う自分がいる。
 おまえは誰に側にいてほしいんだ、と問い詰めたくなる。
 独占欲というのは相当厄介だ。
 電源を根源から遮断して、会場に流れる歌も映像も、照明すらをも落としてしまいたい。
 ほかの男に聞かせたくない、見せたくない。
 こんなことを思う俺はかなり危険な域にいる――。