視線を感じ、心して翠に視線を戻す。
「何……」
 訊けば急に慌てだす。
「あ、あのっ、色々あれこれ用意してくれたのにごめんね?」
 何か考えていたことと違うことを話された気分。
 でも、大したことではないのだろう。
「いや……今図書室に行ったところで、現状じゃ秋兄の部屋でも静かに休むことはできなかっただろ」
 とくになんのいじめ要素も含まない返答をしたはずだが、翠はまだまごまごしている。
 なんでもいいけど……それ、いい加減全部食べてとっとと休めよ……。