「大したことはしていない。生徒会が忙しくないときだけ手伝ってる」
 翠は完全に聞く態勢に入っており、手にしているプレートの存在を忘れているようだった。
「それ、とっとと食べて寝たら?」
 せっかく用意させたカスタードが溶ける……。
 そう思ってプレートに載っているサンドイッチをひとつつまみ翠の口元へ運ぶと、一瞬目が合い、次の瞬間に翠はかぶりついた。
 いや、食べろとは思ったし、知らずこんな流れになるような行動を取った自分がいたけれど、実際に手ずから食べるところを目の当たりにすると困るというか、異常なまでの羞恥心に自分が壊れそうだ。
 そんな俺とは反対に、翠は口にした瞬間に目を見開き、次には目を細める。