光のもとでⅠ

 あくまでも人が作ったものであり、自分の言葉ではない。
 けれど、それで何かが伝わるというのは翠や茜先輩の歌を聴いて知った。
 俺にそこまでの歌唱力はないだろう。
 ただ、朝陽の言うとおり、何が起こるのかわからないのならば、それに少し賭けてみてもいい気がした。
 カメラ目線、ね……。
 いいよ、やってやる。
 でも、それは賭けのためじゃない。
 翠に――翠に見せるためだ。
 こんなことで気持ちが伝わるとは思っていない。
 それでも、溢れそうな自分の気持ちを垂れ流すのにはちょうどいい気がした。