光のもとでⅠ

 歌詞がこんなにもするりと心へ入ってくるのは初めてだった。
 翠が歌うから。
 翠が口にするから。
 翠の心と言葉が重なるから――。
 だから、なんの違和感も覚えない。
 円形ステージは再び回転を始めるも、俺たちの前方に座る一年B組の人間は嬉しそうに笑っている人間もいれば、涙を滲ませている人間もいる。
 ここまでくるのに、このクラスはこのクラスで長い道のりだったのだろう。
 そんなことを考えながら、最後まで翠のステージを見ていた。