第二部のオープニングを俺は知らない。
 というより、これを仕組んでいる人間たちしか知らない。
 俺がその他大勢の全校生徒側に回ることになるとは思いもしなかった。
 把握できていないものに対するわずかな苛立ちを感じていると、実行委員に声をかけられた。
 声の主は高崎空太。
「ちょっと自分と一緒に来てもらえませんか?」
「用があるならここで話せ」
「ここでは無理なんです。これからのイベントの大きく関わることなので、実行委員に従っていただけると嬉しいのですが……」
 高崎は少し緊張した表情に笑顔を貼り付けそう言った。