ステージを下り、各ステージをつなぐ花道の中を通って円形ステージへ戻ると、翠と高崎が一緒にいるのが見えた。
 どうしたことか、翠の頭にはペットボトルが乗っている。
「あ、すげっ! 翠葉ちゃん、恐るべきバランス力っ!」
「え? わ、あ……」
 翠はペットボトルを取ろうともせずにバランスを保つ。
「何やってるんだか……」
 ボソリと零し、そのペットボトルに手を伸ばした。
「翠、おまえはどこの民族だ」
 訊くと、「私がやったんじゃない」とでも言いたげな目で見られる。