光のもとでⅠ

 俺が選んだ。自分に必要な人間だと。
 俺の、唯一の弱点。
 だから、守る――。
 それでいい。
 翠は面白いくらい顔を赤く染めた。
 わかってる。ただ、この顔が好きなだけだろ?
 そんなことは十分すぎるほどにわかっている。
 朝陽、おまえたちが勝つなんてあり得ない。
 翠はとことん鈍いのだから。
 朝陽が翠に体調を訊くと、翠は「大丈夫です」と答えた。
 声が聞こえるわけではない。
 ただ、唇を読むだけ。
 離れている人間の会話を知ることのできる読唇がこれほど便利だと思ったことはなかった。