「懐かしいわね」
 なっちゃん先生は目を細め、その日の出来事を思い出しているようだった。
「懐かしいですね」
「私、秋斗くんみたいな子には初めて会ったわ」
「それを言うなら、俺だってなっちゃん先生と佳範さんみたいな大人と会ったのはあれが初めてでしたよ」
「それは秋斗くんの周りが特殊すぎるのよ。たいていは私たちみたいな大人のほうが多いはず」
「だといいですね」
「んもうっ、その辺は相変わらずかわいくないわね」
「まぁ、かわいくなろうと思ってなれるわけじゃないでしょうし」