藤宮の性教育に関しては、彼女の人柄ゆえ、保護者に受け入れられているといっても過言ではないだろう。
 教員室は高等部に儲けられているものの、彼女は初等部、中等部、高等部の性教育を一手に引き受けている。
 うちの学園は初等部一年から性教育が始まる。
 性教育と道徳を組み合わせたような形で行われるのだ。
「性」に対して偏見を持たないように、人間の身体は男女で違う、と当たり前のことを当たり前に捕らえるように教える。
 それは意外と難しいことだが小さい頃から教えることでごく当然のことと学ぶことができる。
 ほとんどのことを中等部までに教え、高等部ではその復習を兼ねた筆記試験と実技試験のみ毎年行われる。