実行委員で忙しく動いている中、クラスからのSOSが入った。
『俺らは今、自分たちの存在価値を問われているわけなんだが……』
 電話をかけてきたのはクラス委員佐野の代行を買って出た男、小川圭介(おがわけいすけ)。
「何があった? ほらほら、お兄さんは聞く時間もないくらいに忙しいんだけけど聞いてあげるから」
『来る客来る客、みんな海斗と佐野を所望しやがんだよっ!』
 思わず携帯を耳から離す。
 そのくらいのボリュームで言われた。
『うちのクラスの男子は海斗と佐野だけじゃねぇっつーのっっっ!』
 ほぉほぉ、なるほどなるほど……。