「わかった。七倉には俺から話すよ。飲食物に関しては徹底するから任せとけ」
「助かる」
「……こういうの、話してもらえて嬉しいよ。おまえ、いつも肝心なところは踏み込ませてくれないからさ」
 話の内容とは裏腹に、カラっとした空太の声と邪気のない笑顔に心が救われる。
「その一発目がこんなんで悪い」
「なーに言ってんだか。内容なんて関係ないだろ? ほら、とっとと図書室戻って藤宮先輩の下僕よろしく働いてこいやっ!」
 バシっと背中を叩かれ、背に走った痛みで気合が入った。
「うっし、がんばってくるか!」
 階段途中で空太と別れ、来た道を戻った。