「翠葉ちゃん、狙われてるの?」
「その辺は詳しく話せないけど、備えあれば憂いなしの状態であることは確か」
「そっか。もしかして、朝バックヤードでふたりきりになったのって、そのこと話すためだった?」
「そんなとこ……」
「翠葉ちゃん、平気?」
「話したときは俺が励まされるっていう変な状況だったな。今は少し――色々混乱させてるかもしれない」
 それは、俺がきちんと話せてないから。
 かいつまむようにしか話せていないから。
 司だったら、もっとうまく話せただろうか……。
 でも、それは俺が呑み込めなかった。