そこにノック音が割り込んだ。きっと御園生さんか秋兄。
ドアが開くと秋兄が入ってくる。
きっと俺とふたりにしておくのが気になって仕方なかったのだろう。
でも、残念ながらふたりになったところで秋兄が危惧するような会話になどなりようがない。
「何を話してたの?」
秋兄が聞くと、翠は屈託のない顔で「司先輩の恋愛話」と答えた。
俺は激しく咽こむ。
秋兄は俺を見てフリーズしていた。
それはそうだ。さっきの話でこれだ。秋兄がフリーズしてもおかしくない。
「……どうか、しましたか?」
意味がわかっていないのは約一名。
俺と秋兄の顔を交互に見ては、「何?」という顔をする。
教えるか、阿呆……。
「なんでもないよ」
「なんでもないから」
秋兄と俺は同じタイミングで同じ内容を口にした。
それから、心境もほぼ同じだと思う。
翠はその答えに少しつまらなそうな顔をすると、秋兄に尋ねた。
「秋斗さんは司先輩の好きな人を知っているんですか?」
と。
ドアが開くと秋兄が入ってくる。
きっと俺とふたりにしておくのが気になって仕方なかったのだろう。
でも、残念ながらふたりになったところで秋兄が危惧するような会話になどなりようがない。
「何を話してたの?」
秋兄が聞くと、翠は屈託のない顔で「司先輩の恋愛話」と答えた。
俺は激しく咽こむ。
秋兄は俺を見てフリーズしていた。
それはそうだ。さっきの話でこれだ。秋兄がフリーズしてもおかしくない。
「……どうか、しましたか?」
意味がわかっていないのは約一名。
俺と秋兄の顔を交互に見ては、「何?」という顔をする。
教えるか、阿呆……。
「なんでもないよ」
「なんでもないから」
秋兄と俺は同じタイミングで同じ内容を口にした。
それから、心境もほぼ同じだと思う。
翠はその答えに少しつまらなそうな顔をすると、秋兄に尋ねた。
「秋斗さんは司先輩の好きな人を知っているんですか?」
と。


