光のもとでⅠ

「確かに視線は感じなくはなかったけど、あれって桃華を見てるんでしょ?」
「……そういうところ、本当に翠葉とそっくりですよねっ!?」
「あ、れ……? 桃華さん、なんで怒ってるの?」
「あのですねっ、校内において私の制服姿なんて珍しくもなんともないんですっ。そんなことよりも、こんなに格好いい人が歩いていたら、女子が気に留めないわけがないじゃないですかっ。今頃、誰の身内かって騒がれてるんですからねっ!? だいたいにして、女子と男子の視線の差くらい気づいてくださいっ。さっきだって私たちが教室から出てきたとき声かけられてたし……」
「……桃華さん?」
「もう、やです……恥ずかしいからこっち見ないでください」
 そう言っては膝を抱えて蹲ってしまう。